
パリ5日目
今日も快晴。暑いくらい。
午前中に何件かのショップ巡りをする
予定を組んで早めに出かけた。
きのう買ってきたポワラーヌのクッキーが
とても美味しくて、お土産に買いたいからと言うので
まずはサンジェルマン・デ・プレに向かう。
きのうとは違い、慣れた感じでメトロに向かう私。
得意げにメトロの乗り方を教える。
ーうわぁー、なるほど。すごい!
ひとつひとつに感激する友人。
あっという間にサンジェルマンに着いて、またびっくり。
ーはやーい!ここって、3日前に歩いて来たところ??
ーそう、あのとき迷って迷って辿り着いたところ。
思い出すとおかしくてたまらない。
あんなに苦労したのに、こんなに簡単にできちゃうなんて。
でも、2日間歩きまわったから何となく地理が分かったし、
良かったよねと笑いながらお店へ向かった。
ポワラーヌはパンと焼き菓子のお店。
可愛くて美味しいから、パリっ子も行列をつくるほど。
クッキーの詰め合わせをお土産に買って、
ほくほくと店を後にした。
その後、アスティエ・ド・ヴィラットなどのお店を
廻ってチュイルリー公園へ。
今日もすてきな景色。
空いているベンチに座り、握ってきたおにぎりを
バックの中からいそいそと出し、ぱくり。
おいしーい!
叫びたいくらい美味しかった。
梅干し最高だよね、お米持ってきて正解だったね、
今度は海苔も持ってこないとね、と
大興奮のわたしたち。
フランスの食材は確かに美味しいけれど、
食べ慣れたものって体にしみていく感じがする。
贅沢だなぁ…。

ゆったりしていたら、そろそろ大家さんとの
約束の時間が迫ってきていた。
ちょっと急がないといけない感じ。
小走りでメトロに向かう。
構内も小走りで、ちょっと慌てていた。
乗り継ぎの電車がすぐに来てほっとした瞬間、
一緒に乗り込んできたアラブ系の女性3人が
私たちの間をかき回すようにぐるぐるっと移動
したかと思ったら、すぐにホームへ降りてしまった。
しかもひとりはドアに挟まれながら必死に降りていった。
何だったんだろう?
怪訝に思っていたら、後ろにいた男性が友人の肩をたたき、
次にバッグを指差して
ー開いてるよ。
そう教えてくれた。
ーmerci.
そう言った次の瞬間、
ー財布がない!!
友人が青ざめた顔で振り向く。
なんてこと!スリにやられた!
友人はショルダーバッグを後ろにかけてしまっていた。
あっという間の出来事で呆然とする私たち。
まわりにいる人たちは口々にあきらめた方がいいよと言っている。
とにかく、わたしが落ち着かないと。
うろたえる友人に財布の中身を聞く。
幸いクレジットカードは別にしていて、
現金だけ盗まれたらしい。
次の駅でいったんホームに降り、
大家さんに電話をした。
驚いた様子だったけれど、すぐに落ち着いて話してくれる。
やはり現行犯でないと捕まえるのは難しいとのこと。
とりあえず、無事に約束の場所までおいでと言われた。
落ち込んでいる友人を引きずるようにして
Anvers駅に辿り着く。
大家さんと無事に会うことができて、すごく安心した。
ひとまずカフェでコーヒーを飲もうという事になり、席へ。
あたたかい飲み物は神経を落ち着かせてくれる。
大家さんの励ましがあり、友人も元気になった。
あとで合流した奥さんにも報告をしたら、
ーわたしも3回やられたことあるわ!
けらけらと笑い飛ばしてくれた。
本当に助かった。
わたしひとりでは笑って励ます事なんてできなかったし。
笑顔の戻った友人とみんなでモンマルトル散策に出かける。
それにしても人が多い。
ここはパリの中でも有名な観光地らしい。
問屋街やムーランルージュなどがあり、
わいわいがやがやしている。
サクレクール寺院も綺麗だけど、とにかく人だらけ。
ー今日はね、観光客の誰も知らないモンマルトルを案内するよ。
そう微笑んで、サクレクール寺院の裏手に連れて行ってくれた。
途端に人が誰もいない。
しかも、本当にここの方が雰囲気がいい。
みんなここを見て行かないなんてもったいない。
そこからゆっくりと坂を下りなら、モンマルトルの街並を歩く。
学校や公園があり、穏やかなパリの日常がある。
昔の風車まで残っている。
さすが長い歴史の中、ずっと芸術家に愛され続けている街。
石畳も植物も空気そのものも美しい。
さらに下っていくと、可愛らしいパン屋さんや
お花屋さんもたくさんあった。
映画「アメリ」のロケに使われたというカフェで
またひと休み。
大家さんのおかげでとても楽しい一日になった。
乗り方も教えてもらって、今日は都市バスで帰ることに。
初めてだから目が泳いでしまうけれど、
メトロよりも綺麗だし、外を眺めながら帰れるから面白い。
降りたバス停からアパルトマンまでは少し遠かったけれど、
無事に帰り着き部屋に入る。
今日も濃い一日だった…
旦那さまに電話をして安心したのか、
友人もにっこり笑顔。
良かった良かった。
今度からはちゃんと気をつけようね。
明日は布の問屋街へ。
もう何事も起こりませんようにと願いながら眠りについた。